2023年11月21日火曜日

幻の中津山藩

 仙台藩の支藩として一関藩が知られているが、中津山藩はほどんど知られていない。元禄8年(1695年)の立藩から同11年の本藩返領まで3年と極めて短い期間しか存在せず、藩主伊達村和(むらより)は一度も中津山に入部していなかった。家臣の移住も不明で藩庁の存在さえ明らかになっていないため認知度はかなり低い。村和の前の領地が水沢だったため水沢藩と誤って呼ばれることもある。改易の原因になった旗本とのくだらないいざこざ(土器町事件と呼ばれる)がなかったら、中津山の街並みがかなり違ったものになっていたに違いない。

中津山の氏神様、白鳥神社

2023年10月12日木曜日

太夫太郎と藤原氏女の板碑

  石巻市小船越岩崎前の集落に数基の板碑が折り重なるように建っている。隣に巨大な近世の記念碑があり、板碑はそれに合わせて1か所にまとめられたようだ。もとは近くの別の位置にあったものだろう。その中で一番大きい板碑は、太夫太郎の極楽往生を願って建立された元亨2年(1322年)の碑だ。その南側、鹿又の八幡神社境内に藤原氏から嫁入りした女性のために建立された元徳2年(1330年)の逆修板碑(生前供養碑)がある。この二つの板碑の関連について調べてみた。

岩崎前にある太夫太郎碑は大きな記念碑の脇に建っている

2023年9月15日金曜日

田道町遺跡と牡鹿柵

 田道町遺跡は仙石線陸前山下駅東部の石巻市山下町1丁目と2丁目にまたがる住宅地内の遺跡で、古墳時代から平安時代の土器や住居跡などが発見されている。特に注目されるのは延暦11年(792年)の記銘がある稲などの貸し出しを記録した出挙(すいこ)の木簡で、地域の豪族とみられる「真野公」の文字もある。北側に隣接する清水尻遺跡を含めた当地は役所跡とみられ、8世紀後半に牡鹿郡家が赤井地区から移転した可能性もあるという。

田道町2丁目の公園内にある田道町遺跡の標柱